稲刈りと籾摺りが終わり、3月から始まった稲作が終わりました。
まだ片付けが少し残っていますが、今年も無事に米を出荷することができました。
農作業も落ち着いたので今年の稲作の振り返りと今年の出来についてお話ししようと思います。
この記事の目次
2019年の稲作の振り返り
稲作期間中の天候は米の出来を占う上で、とても重要なファクターです。
まず稲作期間中の天候を振り返ります。
2019年は新潟県では平年に比べて、
- 5月、6月の高温
- 8月の高温
- 9月の少雨
という3つの特徴がありました。
それぞれについて解説します。
5月、6月の高温
まず、2019年は田植え直後の5月、6月の気温が平年に比べると高い日が多くありました。
生育初期から高温となったことで、初期の生育がよくなり平年よりも稲が旺盛に成長しました。
その結果、8月の段階では新潟県全体は作況指数が102~105の予想で、「やや良」の見込みとなりました。
8月の高温
しかし、生育初期こそ順調に成長したものの8月も高温が続きました。
稲穂に実が入る8月にあまりにも高温の日が続くと、穂にうまく栄養を送ることができずに米が白く濁る生育障害が発生してしまいます。
新潟県では連日35℃をこえる日が続き、稲にとっては厳しい夏となりました。
その結果、いざ9月になって収穫が始まると新潟県内の米の一等米比率が過去最低になりそうだと報道されました。
9月の少雨
3つ目は、9月の少雨です。
9月が少雨だったため、穂の登熟がよく進み、土も乾いたので稲刈りがやりやすかったです。
例年だと9月になると台風の影響などで雨の日が多くなります。
その結果、田んぼが柔らかくなり稲刈り作業が大変になります。
田んぼがぐちゃぐちゃだとコンバインに負荷がかかりますし、コンバインのキャタピラに泥がべったりとついてしまうので落とすのに苦労します。
また、コンバインが旋回するときに田んぼをキャタピラで掘ってしまうので来年の春作業にも悪影響を与えてしまいます。
雨が降るとこのように作業効率が悪くなるのですが、今年は晴れが続いてくれたので秋の作業がとてもうまくいきました。
今年の稲の出来は?
今年は新潟県内では8月の高温が続いたことでシラタと呼ばれる白く濁る生育障害が多く発生し、一等米比率が低いという報道がされています。
確かに精米していても例年に比べるとシラタが少し多い気もします。
今回は慣行栽培と無農薬栽培の一株当たりの穂の付き具合を見てみようと思います。
平均的な株を一株刈って穂の付き具合を確認しました。
今回初めて一株当たりのもみ数を数えてみましたが、めちゃくちゃ大変だったのでもうやりたくありません笑。
慣行栽培
慣行栽培は茎数32本、穂の長さ平均16㎝、穂首数3~10、1穂あたり約100粒、一株当たり約2000粒のもみがついていました。
(茎数は1株当たり何本の茎があったのか。穂の長さは、穂1本あたりの長さ。穂首数は1本の穂に何本の枝があるのか。を表しています)
例年だと慣行栽培の穂の長さは18cmくらいあるので例年よりも穂が短い気がします。
無農薬栽培
慣行栽培は茎数27本、穂の長さ平均18㎝、穂首数5~12、1穂あたり約100粒、一株当たり約1700粒のもみがついていました。
(茎数は1株当たり何本の茎があったのか。穂の長さは、穂1本あたりの長さ。穂首数は1本の穂に何本の枝があるのか。を表しています)
慣行栽培に比べると、茎数が少ない分穂の長さが長い傾向がありました。
しかし、1穂あたりのもみ数が同じくらいだったので、茎数が少ない分1株当たりのもみ数は少なくなりました。
まとめ
今回は、今年の稲作の出来について記事を書きました。
今年は8月の暑さの影響か思っていたよりも穂が長くなりませんでした。
結果的に例年よりもやや収量が少なくなりました。
一方米の品質はというと、多少シラタ米があるものの我が家の田んぼではそこまで品質の低下は見られませんでした。
品質に関しては例年並みといったところです。
なにはともあれ、今年も無事に稲作を終わることができて一安心しています。
また、来年の稲作も頑張りますよ!
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