農家に必要な資格や免許は?就農前に知っておきたい農業系資格
・就農したいけど農業ってどんな資格を取っておけばいいの?
・美味しい作物を育てるために勉強したいけどなにか資格ってあるの?

という人向けに、農業をするうえで有利な資格や免許を紹介します。

農業をするにはこの資格がないとダメ。
というような資格はありません。
資格なんて持っていなくても立派な野菜を育てている農家さんもたくさんいます。
とはいえ、資格を取ることで農業や経営の知識を増やしたり、作業を効率化することができます。

 

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運転に関する資格

自動車やトラクターなどの運転に関する資格です。

運転に関する資格は、農業をするうえで必要不可欠な資格が多いです。
免許を持っている、いないでできる作業が変わってしまうのでぜひ持っておきたい資格です。

 

自動車運転免許

農家に資格は必要ないと言いましたが、運転免許は荷物の運搬や作物の出荷など様々な場面で必要になります。
普通自動車免許を持っていれば一定サイズ以下の農耕車両を公道で走らせることができます。
最低限普通自動車免許は必要になります。

農家は軽トラを使うことが多いので、免許取得の際はマニュアルの講習を受けることをお勧めします。

おすすめ度

免許取得まで最短でも2週間ちょっとかかり、費用も20万程度かかるものの田舎では私生活でも必須の資格です。

 

大型特殊免許

一定のサイズ以上のトラクターなどの農耕車両を公道で運転するには大型特殊免許が必要になります。

もし、大型特殊免許を取得せずに大型のトラクターを公道で運転すると無免許運転で捕まる可能性があります。
具体的には、長さ4.7m、幅1.7m、高さ2.8m、最高速度15km/hという条件を一つでも上回ってしまうと大型特殊免許が必要な車両となります。
トラクターだと、大体50馬力くらいから大型特殊免許が必要となります。

田んぼや畑のなかで運転するだけであれば大型特殊免許は必要ありませんが、田んぼ間の移動の際などに公道を走らないというのは難しいと思います。

おすすめ度

農地の集約など大規模化をしていく上で、大型の機械が必要になります。
余裕があるなら取っておいて損はない資格だと思います。
数日の講習と15万円程度の費用がかかります。

 

けん引免許

荷重の重さも含む車両の重さが750kg以上の車両をけん引する場合は、けん引免許が必要になります。

コンバインなどの足がキャタピラの農耕車両は公道を走行するとキャタピラが傷んでしまうためにけん引する農家さんも多いです。
一般的なコンバインの重量は約2tなのでコンバインをけん引する場合は免許が必要になります。

おすすめ度

あると便利ですが、なくてもなんとかなるので自動車免許や大型特殊免許に比べると優先度は下がります。
数日の講習と15万円程度の費用がかかります。

 

フォークリフト免許

農家の作業には力仕事が多くあります。
米の出荷ともなると30kgのコメ袋を何百袋も運ばなければいけません。

フォークリフトがあればそんな重労働から解放されることができます。

重労働で身体を壊さないためにもフォークリフト免許は持っておきたい資格の一つです。

おすすめ度

資材の運搬から出荷まで年間の稼働日数はかなり多いです。
農業で使う程度であれば2日間の講習と1万5千円程度の費用で取得することができます。

 

ドローン資格

近年話題になっているドローンでの農薬散布にも現在のところ資格が必要です。
農薬散布用のドローンを使用することで高価な無人ヘリを使わなくても個人でも農薬散布の手間を減らすことができるようになりました。

普通にドローンを飛ばすだけなら資格は必要ありませんが、農薬散布をする場合には産業用マルチローターオペレーター技能認定証という資格が必要になります。

大規模農家を中心に農薬散布用のドローンが導入され始めているので、ドローンの免許を持っていると農業法人に就職しやすくなるかもしれません。

おすすめ度

ドローンの免許取得には16万円程度費用がかかりますが、ドローンでの農薬散布は今後ますます盛んになると思われるので期待もこめておすすめ度は高めにしました。

 

栽培・農薬に関する資格

農業の知識や農薬に関する資格を紹介します。

栽培に関しては資格を持っていないと育てられないということはありませんが、資格取得を目指して勉強することでより農業への理解が深まると思います。

また、農業法人によっては資格を持っていると就職に有利になることがあります。

 

日本農業技術検定

日本農業技術検定は一般社会法人全国農業会議所が行っている、農業を学ぶ学生や農業を仕事にしたい人のための検定です。

日本農業技術検定では、農業についての知識・技能についての問題が出題されます。
試験はマークシートでの択一選択系方式です。

受験料は、3級3,080円、2級が4,110円、1級が5,140円です。
団体受験割引もあります。

 

おすすめ度

農業法人での優先採用や農業系の大学の入試優遇などのメリットがあるためほかの栽培に関する資格に比べおすすめです。

 

日本農業検定

日本農業検定は、農業への理解を促進するためにつくられた検定で、食の安心・安全や文化的・産業的な側面から農業への理解を深めるための検定です。

日本農業技術検定と似た名前ですが、農業技術検定が農業を学ぶ学生や農業を仕事にしたい人のための検定なのに対して、日本農業検定は農業に興味がある人や趣味や生活のための基礎知識を身につけたい人におすすめです。

受験料は、3級3,600円、2級が4,100円、1級が5,000円です。

おすすめ度

栽培に関する知識というよりは食や文化に関する知識を問われる資格のため、日本農業技術検定よりはおすすめ度は低いです。

 

土壌医検定

土壌医検定は生育障害や連作障害など作物を栽培するうえでの土づくりについてアドバイスや指導できる人材を育成するための検定です。

作物を育てるうえで土壌の状態を知ることはとても大切です。
「野菜作りは土作り」ともいわれるくらい土作りは大きなウエイトを占める要素です。

この検定を取得することで、土壌診断の処方箋作成や席改善、作物生育等の改善指導ができるようになります。

受験料は、3級5,000円、2級が6,000円、1級が10,000円と少し割高です。
また、会場も日本農業技術検定や日本農業検定に比べると少ないです。

おすすめ度

土壌に関する専門的な知識を学ぶことができます。
農業を科学的な視点から学びたい人におすすめです。

 

農薬管理指導士

農薬管理指導士は、農業従事者や農薬販売者、ゴルフ場業者など農薬の使い方を指導する立場にある人に向けた資格です。

農薬管理指導士養成研修を受けて認定試験に合格することで都道府県知事から認定されます。

この資格を取得することで、農薬や農薬に関係する法律を学ぶことができ農薬使用を指導する資格を得ることができます。

受験料は、都道府県によって異なりますが3,00円程度です。
有効期限は、3年間で更新には更新研修が必要になります。

おすすめ度

普通に農薬を使用する分には、必要がない資格ですが安全に農薬を使用できる仕組みを学ぶことができることとそれほど費用がかからないので持っておいても損のない資格だと思います。

 

経理に関する資格

農家は農作物を作るだけでなく経営者として経営を管理しなければなりません。

経理をするうえで簿記に関する知識は必要不可欠です。
簿記を理解することで、1年間のお金の動きを理解することができるので経営の健全化につながります。

 

農業簿記検定

農業簿記は農業経営者にとって必要な税務・会計の知識を学び、実践にそくいかすことができる資格です。

農業の経理には種苗費や肥料費など独特の勘定科目が多くあります。
農業特有の勘定科目を使って簿記を学ぶための資格が農業簿記検定です。

また、通常の簿記だけでなく農業の実体や実状を反映した問題が出題されます。

受験料は、3級1,500円、2級が2,000円、1級が4,000円です。

おすすめ度

農業で実際に使う勘定科目を用いて検定がおこなえるので実務に直接いかすことができる試験です。

日商簿記検定

日本で一番有名な簿記の検定が日商簿記検定です。

簿記とは日々の経理を記録し、計算・整理することで経営状況と財政状況を明らかにする技能です。
簿記を学ぶことで基礎的な経営管理や分析力だけでなく、経営に必要なコスト感覚も身に付けることができます。
企業や個人事業主の経理向けの資格のため、農業だけでなく様々な職業でいかすことができます。

受験料は、3級2,800円、2級が4,630円、1級が7,710円です。

受験料の他に事務手数料として、540円が必要です。

おすすめ度

農業簿記検定に比べてより網羅的に簿記や会計の知識を身に付けることができ、農業以外の仕事にもいかすことができるのでおすすめ度は高いです。

 

食品や栄養に関する資格

野菜ソムリエ

野菜ソムリエは、野菜や果物の知識を身につけ、その魅力や価値を世の中に発信するスペシャリストになるための資格です。

野菜や果物の目利きから素材に合わせた調理法まで幅広い知識が身につきます。

通信制の養成講座を受けることで野菜ソムリエの資格を取得することができます。
野菜ソムリエの取得には、講座の入会金と受講料を合わせて148,000円がかかります。

おすすめ度

幅広い知識が身につきますが、養成講座の受講料が高く、年会費もかかるためおすすめ度は低くしました。

 

終わりに

今回は、農業を営むうえで有効な資格を紹介しました。

この資格がないと農業ができない!という資格は運転免許資格くらいですが、資格を取得することで仕事の幅を広げたり知識を増やすことができます。

興味がある資格があれば挑戦してみてはいかがでしょうか。

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