2018米づくり記録8~中干し~

ているです。

慣行栽培で育てている稲がだいぶ成長してきて中干しの工程に入りました。

今回はこの中干しと中干しのためにおこなう溝堀りについて紹介します。

 

この記事の目次

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中干しとは?

田植えをおこなってから約1ヵ月の間、アオミドロ対策でたまに田んぼを乾かすことはあっても基本的には田んぼには水を張っている状態でした。

中干しとは、今まではっていた田んぼの水を落として田んぼを乾かすことです。

田んぼを乾かすことで、以下の3つの効果があります。

1 稲の生育を抑え、茎数が増えすぎるのを防ぐ

稲は成長すると種から発芽した主茎から分けつして多くの茎が生えてきます。

中心の株は左右に新しい茎が生えてきていますね。

慣行栽培の場合、この時期に放っておくと稲がどんどん肥料を吸収して分けつが過剰になってしまいます。

稲は過剰に分けつすると、土の栄養を奪い合ったり、茎が密集しすぎて光が当たらなくなって弱く病気になりやすい稲になってしまい、実に栄養が足りずに未熟米が多くなってしまいます。

中干しをすることで、過剰分けつ、過繁茂しすぎる茎を調節することができます。

 

2 土に酸素を供給する

中干しをおこなうことで、土の中に酸素を供給することができます。

田んぼが渇くことで土に酸素が供給され、還元状態で生成される根にとって有害な物質(二価鉄、硫化水素、有機酸)を除去して根が活性化します。

水を張っていて、田んぼから頻繁に泡が出てくるようだと土の中では根にとって有害なガスがたくさんたまってしまっています。

 

3 土が渇くことで秋の作業がやりやすくなる

中干しをおこなわずに田植えから稲刈りまで水を張り続けると稲刈りの時期に土が柔らかいままになってしまいます。

土が柔らかいとコンバインが田んぼにはまってしまい稲刈りに手間がかかってしまいます。

この時期に一度しっかりと中干しをしておくことで、収穫直前の落水でも田んぼが硬くなり、機械作業をスムーズに行うことができます。

 

中干しの時期は?

じゃあいったいいつ頃から中干しを始めればいいのでしょうか。

中干しの時期は、田植えから約1か月後で、茎数が17~20本程度になったころです。

今年の我が家では、田植えから約35日後、茎数が15~20本のころに中干しを始めました。

 

中干しのやり方

それでは中干しのやり方について説明します。

中干しはただ水をかけるのをやめて、水を落として田んぼを乾かすのですが、この作業を効率よくするために溝切りという作業を行います。

溝切りとは、排水をスムーズにおこなうために田んぼに10cmくらいの溝を掘ることです。

 

溝切りのポイントは、

1 数日間水を落として田んぼを一度乾かす

2 溝切り直前に水をかける

3 溝切りが終わったら水を落とす

ことです。

なぜなら、田んぼが柔らかいままだと溝切りをおこなっても土が崩れて溝が埋まってしまい溝を切る意味がなくなってしまうためです。

田んぼを一度乾かすことで、きれいで崩れない溝を掘ることができます。

軽く土にひびが入り、歩くと足跡がつく程度乾かします。

また、作業の直前に水を入れることで溝堀機の滑りがよくなり、作業をスムーズにおこなうことができます(水がないと溝堀機が進まずに埋まってしまう)。

溝を掘ってから水を抜くのは掘った溝を乾かして崩れにくくするためです。

 

我が家では、エンジン式の溝堀機を使って溝堀りをおこなっています。

後ろについているステンレスのプレートが田んぼに溝を掘ってくれます。

 

溝堀機を使うとこんな感じの溝が掘れます。

 

この溝を通って水が排水されるため、田んぼが早く乾いてくれます。

 

この図のように田んぼの周り及び一定間隔ごとに溝を掘ります。

我が家では15株に1本くらいの感覚で溝を掘っています。

ほんとはもっと細かく掘ったほうがいいんですが大変なのでこれで勘弁してください。

 

溝堀機を使う上で重要なのは、溝を水尻につなぐことと溝堀機が交差するところは先に走った溝が潰れてしまうのでちゃんと溝をつないであげることです。

 

倒れた稲は棒などで起こしてあげましょう。

水が溜まってるようなところは、棒で溝につないであげるとよく乾きます。

 

こんな感じで溝を掘ってあげることで中干しの効率を劇的によくすることができます。

6月は梅雨の時期で雨が多いため、水が溜まってしまうと十分な中干しができません。

 

細かな作業ですが、毎日の水管理なしには美味しいお米はできないのです。

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