種もみを塩水選するメリットは?塩水選の効果とやり方を紹介します

塩水選って何のためにやるの?

塩水選のやり方を知りたい。

という米づくり初心者に向けて、塩水選をおこなうとどんな効果があるのかを紹介します。

 

塩水選をすることで、生育が良好な種もみを選別することができます。
よい種もみを使って苗を作ることが、いい米づくりの第一歩です。

2018年産の種もみは猛暑のために品質が悪いと言われています。

塩水選をしっかりおこない品質のいい米をづくりを目指しましょう。

 

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種もみの塩水選とは

塩水選は、塩水に種もみを浸ことで実が充実した発芽効率といい種もみと実入りの悪い種もみを選別する方法です。

充実した発芽効率のいい種もみは実が詰まっていて重いので塩水につけても浮きません。
一方、実入りの悪い種もみは軽いので塩水に浮きます。

このように比重の違いを利用して種もみを選別する方法を塩水選と呼んでいます

実入りのいい種もみは、発芽効率がよく苗がそろうだけでなく、もみに栄養がたくさんあるので田植えをしてからの初期生育もよくなります。

 

用意するもの

  • 水      50L(このほかにすすぎ用の水が必要)
  • 塩      10kg
  • 生卵     1個
  • 100Lバケツ  2個
  • ざる     1個
  • 網      1個

 

塩水選のやり方

1.塩水を作る

100Lバケツに塩水を作ります。

このとき、塩水は比重が1.13くらいになるように塩の濃度を調節しましょう。

我が家のやり方は、ポリ容器に約50Lを入れて、そこに塩10㎏を入れてよくかき混ぜます。

(水の量は正確に測っているわけではありません。)

市販の塩は塊になっていることがあるので一度ざるに入れて、塊を崩してから溶かすようにしています。

ポイント!
塩がバケツの底に沈んでいないようにしっかりと混ぜてください。

 

比重の確認には卵を使う方法が簡単なのでおすすめです。

塩水を作ったら生卵を浮かべて、卵の浮き具合をみて塩の量を調整する方法です。

コシヒカリの種もみの場合、卵が約55度くらい傾いて水に浮いている状態を目指しましょう。

卵が傾いて浮いている適切な状態

卵が垂直に浮いているので塩が足りない状態

 

2.ざるに種もみを入れて塩水に浮かべる

塩水ができたら、いよいよ種もみの塩水選をおこないます。

塩水に種もみをつけてよくかき混ぜまぜると、比重の軽い種もみが浮いてくるので網ですくいます。

我が家では一度に8kgずつ塩水選をしました。

写真のように結構な量がの種もみが浮いてきます。

 

3.種もみを水ですすぐ

塩水選をした種もみには塩水がたっぷりついています。

塩が種もみについたままだと発芽に悪影響を与えるので、水でしっかりとすすぎます。

我が家では100Lバケツに水をたっぷりと張り、その中でざるごと種もみを何度もすすぎます。

ポイント!
何度もすすぎをするとだんだんと塩分濃度が下がってきます。
浮いてる種もみが少なくなってきたなと思ったら卵を浮かべ、浮き方を見て塩を足して塩分濃度を調節しましょう。

 

4.あみ袋に入れる

すすぎおわった種もみはあみ袋に入れて浸漬(しんし)と呼ばれる水に漬けて発芽させる工程に移します。

種もみを袋に入れる時に、袋にパンパンに種もみを入れてしまうと種もみ同士が密着しすぎてしっかり水につからないので、もみの袋詰めはあみ袋の6分目くらいにしましょう。

 

選別後の種もみ

色がよく、種もみがふっくらしています。

 

塩水選で浮いたしまった種もみ

色の悪い種もみがちらほら見受けられ、種もみ自体も細長いものが多いです。

 

塩水選のメリット・デメリット

メリット

塩水選のメリットは、発芽効率がよく育ちの良い種もみを選別できることです。

2018年は降水量不足や異常高温など異常気象ばかりの年でした。
そのような異常気象に負けないためには、田植え後の初期生育が重要です。
よい苗は田植え後にすぐ活着して、根が張り異常気象を乗り越えることができます。

よい種もみを使うことで、ガッチリした苗づくりができ、結果として増収につながります。

 

デメリット

よい苗づくりには欠かせない塩水選ですが、デメリットもあります。

塩水選をすることで、比重の軽い種もみは取り除かれてしまいます。
種もみにロスが発生するので、その分種もみを多く注文しなければいけません。

結果として、苗づくりに必要な経費が多くなります

 

とはいえ、苗づくりに経費をかけても田植え後の生育がよくなるので結果として増収する可能性は高いと思います。

 

2018年産の種もみは品質が悪い?

昨年2018年は記録的な異常気象が続き、作況指数がやや不良の都道県が多く全国的に収量低下しました。

これは稲が異常気象に打ち勝つことができずに、実入りのない細い米が多くなり米の重量が減ったことも原因の一つです。

主食用米だけでなく、同じ気象条件で育った2019年の稲作用の種もみにも同様のことが起きていると考えられます。

そのため2019年産の種もみは例年より品質が低いのではないかと言われています。

塩水選をしっかりおこない、いい種もみを選別することが例年以上に重要です。

 

終わりに

今回の記事では、塩水選のやり方やメリット・デメリットを紹介しました。

塩水選は稲作をするうえで重要な工程です。

しっかり選別をおこないよい苗づくりをおこないましょう。

 

 

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