熊肉を使った代表的な料理と言えば熊汁ですが、熊汁は熊肉の下ごしらえで味が大きく変わります。
熊肉は下ごしらえをしっかりしないと、独特の臭みが残ってしまい脂っこくて獣臭い熊鍋になってしまうのです。
しかし、ちょっとしたコツと手間をかけることで美味しい熊鍋にすることができます。
今回の記事では、熊肉の下ごしらえのコツと美味しい熊鍋の作り方について紹介します。
この記事の目次
熊肉の特徴
熊肉は、豚や牛に比べると赤みが強く、甘みと旨味が強いと言われています。
脂身も溶けやすい特徴があります。
また、うまみも強いため、いい出汁が出るためなべ物に向いています。
一方で、加熱すると身が硬くなるため、いかに肉を柔らかく調理できるかが熊肉調理のポイントとなります。
獣臭も強く、臭い対策にも気を使わなければいけません。
材料(水5Lあたり)
- 熊肉 500g
- 大根 1本
- ゴボウ 1本
- しめじ 1房
- エノキ 1房
- 豆腐 1斤
- ネギ 2本
- こんにゃく 適量
- 醤油 大さじ10
- かえし 大さじ5
- 酒 大さじ10
- みそ 小さじ2.5
- 塩 小さじ2.5
- みりん 大さじ5
※分量は大体です。お好みに応じて調節してください。
熊肉の下ごしらえ
1.熊肉を切る
まず熊肉を食べやすい大きさに切ります。
切ることで断面積が大きくなり、肉から臭みが抜けやすくなります。
塊肉のまま茹でてしまうと臭みが残りやすくなるので必ず切ってから茹でるようにしましょう。
熊肉は、豚や牛に比べて脂が溶けやすいので作業中に体温で溶けてまな板が脂っぽくなるので作業が終わったらお湯でしっかり洗いましょう。
2.水から熊肉を煮る
熊肉を食べやすい大きさに切ったら、たっぷりの水に浸して煮ます。
この時臭みが残るから蓋をしないほうがいいという意見もありますが、アクが出始めるまでは蓋をしていても大丈夫だと思います。
3.アクを取る
しばらくすると熊肉から大量のアクが出てきます。
アクを残すと獣臭さも残ってしまうので綺麗にアクを取ります。
沸騰したのち、アクが出なくなるまで取り続けましょう。
こんなに大量にアクが取れますよ。
4.お湯で洗う
アクが出なくなったら、お湯を捨ててやけどしない程度のお湯で熊肉を洗います。
お湯に浮いたアクをすくっただけでは肉の周りにアクが残っています。
お湯でゴシゴシ洗うことで、肉を綺麗にします。
私は綺麗になるまで5~6回ボウルにお湯を張って肉を洗いました。
洗った後のお湯がこちら。
アクをすくっても、まだまだ肉にはアクが残っています。
5.再度水から熊肉を煮る
一度沸騰した程度の時間では熊肉は柔らかくなりません。
肉がきれいになったら再び水から熊肉を煮て肉を柔らかくします。
肉がお湯の中で踊る程度の火力で2~3時間程度煮込み、熊肉を柔らかくします。
食べてみて肉が柔らかくなったら下ごしらえは終了です。
私は前日にここまでの下ごしらえをしておいて翌日にほかの具材を入れて調理をすることが多いです。
このまま続けて熊汁を作る場合は、肉を柔らかくするために水から煮なおすときに同時にゴボウ・大根・こんにゃくを煮ましょう。
熊汁の作り方
1.ゴボウを切る
ごぼうはささがきにして水につけてあくを取ります。
2.ゴボウ・大根・こんにゃくを茹でる
ゴボウ・大根・こんにゃくは水から茹でます。
下ごしらえをしてすぐに熊汁を作る場合は、熊肉を洗って水から茹でなおすときに一緒に茹でます。
こんにゃくはさっとお湯で洗ってアク抜きしてから使いましょう。
3.しめじ・エノキ・豆腐を入れる
熊肉・ゴボウ・大根が煮えたらしめじ・エノキ・豆腐を入れます。
4.調味料で味付けをする
具材に火が通ったら調味料で味付けをします。
私は自家製のそばつゆのかえしを使って醤油ベースの味付けが好きです。
隠し味にみそを少しだけ入れるのがポイントです。
5.ネギを入れる
最後に、ねぎを入れたら完成です。
実食
長時間かけてじっくりことこと煮込んだ熊肉は、身が柔らかくなり絶品です。
汁も熊の脂から旨味が溶け出していて、野菜にもよく味がしみ込んでいます。
地元の青年会の集まりの振る舞いとして熊汁を作ったのですが、大量に作った熊汁がきれいになくなってしまいました。
熊汁は美味しくてついつい食べ過ぎてしまうのですが、食べ過ぎると熊の脂でお腹を下してしまう可能性があるのでくれぐれも食べすぎには注意しましょう。
集まりの時も5杯熊汁を食べた先輩はたびたびトイレに行っていました。笑
まとめ
我が家では、近所に猟友会の方がいるのでたまに熊や鴨の肉をいただきます。
いつでも食べられる食材ではありませんし、一般にはなかなか出回らない食材です。
せっかくだから少しでも美味しく食べたいという思いで、地元の人たちが研究してきたおかげで今の作り方になりました。
なかなか熊肉が手に入る機会は少ないですが、手に入った際には挑戦してみてください。