農林水産省北陸農政局から、2019年産の新潟県の作柄概況予想が発表されました。
新潟県全体は作況指数が102~105の予想で、「やや良」の見込みです。
2017年、2018年と不作が続いた新潟県ですが、今年は豊作となる見込みです。
【追記】
9月19日付で新潟日報から2019年産の新潟県産米の一等米比率が過去最低の10%未満で推移しているという記事が公表されました。
この記事の目次
作況指数とは
作況指数(さっきょうしすう)とは、その年における米の収量を表す指標です。
作況指数は、10a(アール)当たりの平年収量(平年値)を100として、その年の収量を表す指標です。
(10a当たり収量÷10a当たり平均収量)×100
という計算式で表すします。
この作況指数を使って、米の流通価格や翌年度の生産目標値が決まるなど重要な指標となっています。
作況指数の区分
作況指数は、その年の米の収量に応じて以下の5つの区分に分けられます。
- 良:106以上
- やや良:102~105
- 平年並み:99~101
- やや不良:95~98
- 不良:94~91
- 著しい不良:90以下
作況指数が100以上ある良とやや良なら例年に比べて収量が多く、やや不良、不良及び著しい不良ならその年の収量は平年に比べて少ないことになります。
2019年の新潟県米の作況概況は?
2019年の新潟県産米の作況概況は、作況指数102~105にあたる「やや良」のとなる見込みです。
今年は田植え以降天候に恵まれ、気温が高かったことで分げつが旺盛で出穂最盛期も平年より2日早くなりました。
分げつが盛んだったため、穂数はやや多い一方、1穂当たりのもみ数は、穂数が多いと減る傾向があるためやや少ない予想です。
その結果、全もみ数は平年並みの見通しです。
地区別にみると、岩船、下越北、下越南、中越、魚沼、佐渡が「やや良」で、上越のみ、「平年並み」の予想です。
新潟県ではほとんどの地区で「やや良」の予想ですが、上越だけは日照時間が少なかったことから「平年並み」となる予報です。
しかし、この予想には8月後半の高温や台風の影響が入っていないので、今後の調査によっては評価が変わる可能性があります。
令和元年産水稲の8月15日現在における作柄概況(北陸)(2019年8月30日公表)
北陸農政局ホームページより
他道県の作況状況は?
他道県の状況は、東北地方と北海道では新潟県と同じく「やや良」となる見通しです。
全国の収量の7割を占める北海道、東北地方、新潟県で、昨年よりも作がいい予想となっています。
一方、千葉県や群馬県、三重県、香川県などでは、「やや不良」となっています。
2019年産新潟県産コシヒカリの一等米比率過去最低か?
新潟日報社の調べによると、県内の登熟期の高温の影響で1等米比率が10%未満で推移しているそうです。
新潟日報社が、新潟市、長岡市、上越市、魚沼地域のJAに聞いたところ、暑さの影響で白く濁った米が多く1等米比率が10%未満となっているとのことです。
検査を終えたのは全体の1~3割のため今後変動する可能性はありますが、一等米比率が県全体で過去最低だった20%を下回る可能性があります。
新潟日報モアより
まとめ
2019年の新潟県全体の作況概況の予想は、作況指数が102~105にあたる「やや良」となりました。
過去2年間新潟県では、不作が続きましたが今年は豊作となる見通しです。
しかし、9月19日付の新潟日報の調査で1等米比率が過去最低水準であると報道されたため、収量が多くても一等米比率が少なる可能性があります。
作況指数は、今後9月末、10月、12月にも調査・公表されます。
昨年の作況指数についての記事は下記リンクをご覧ください。