昔から米づくりは苗づくりからと言われています。
塩水選が終わったら種もみを苗箱にまきます。
種もみを苗箱にまく作業を私の住んでいるところでは『すずまき』と呼んでいます。
苗箱に種もみをまいて、ハウスで育てることで直接田んぼに種もみをまくよりも効率的に苗を育てることができます。
今回の記事では、稲作における種まきの方法と使用する機械を紹介します。
この記事の目次
すずまきとは
本題に入る前に余談ですが、私の住む岩船地域では稲の種まきをなぜか『すずまき』と呼んでいます。
種もみのことを種子(しゅし)とも呼びますが、『種子まき』がなまって『すずまき』というようになったというのが一般的な説のようです。
岩船地域の方言はいわゆる「ズーズー弁」なので、いつの間にかすずまきと呼ばれるようになったのかもしれませんね。
私は小さいころからすずまきと教えられてきたので、全国共通のことばだと思っていたのですが、方言だと聞いてびっくりしました。
でもせっかくなので、この記事では稲の種まきのことはすずまきと呼んでいきたいと思います。
水稲用播種機
少し話が脱線しましたが、すずまきについて紹介します。
やり方を説明する前に、すずまきで使われる機械を見てもらったほうがイメージがわくと思うので先に紹介しておこうと思います。
すずまきは、写真のようにベルコトンベアのような機械でおこないます。
この機械に苗箱を流すしてあげると、自動で土や種もみが苗箱にまかれます。
種もみをまくことを専門用語で播種(はしゅ)というので、この機械は播種機と呼ばれています。
最初に土を入れて、その上から種をまき、最後にまた土をかぶせます。
播種機には最初の土詰めから種をまいて土をかぶせるまで一度におこなえる播種機と、最初の土詰めと種まきと土をかぶせる工程を分けておこなう播種機があります。
すずまきのやり方
我が家の播種機は、最初の土詰めと種まきと土をかぶせる工程を分けておこなうので今回はその手順で説明します。
1.土を詰める
種もみが根を伸ばすための土を苗箱に入れます。
我が家では土を詰める前に根張りをよくするために根貼りシートというものを土と苗箱の間に入れています。
播種機のベルトコンベアを通過すると写真のように苗箱に土が入ります。
まずはひたすら土を詰めていきます。
2.土に水を含ませる
苗箱に土を詰め終わったら、種もみが発芽するように土に水をたっぷりかけます。
水のしっかりかかっていないところがあるとそこだけ発芽しないということもあるので、ノズルのつまってないか確認してしっかりと水をかけます。
3.種もみをまく
ベルトコンベアで苗箱に水をかけたら、種もみをまきます。
種もみは、前もって水につけておいて少しだけ発芽したものを使用します。
写真のように白い根っこが少しだけ伸びた状態がすずまき時の種もみです。
湿った土の上に自動で種もみがまかれていきます。
(急いで写真を撮ったのでブレブレでした。。。笑)
4.種もみの上から土をかぶせる
種もみをまいたら、種もみが隠れるくらい土をかぶせます。
播種機には、種もみを入れるところと土を入れるところがそれぞれついていて、ベルトコンベアで下を通過するときに種もみと土が苗箱に落ちるようになっています。
種もみの下に入れる土を入れるときは、種もみを入れずに土だけ入れて苗箱をベルトコンベアに流しています。
5.苗箱を積む
我が家ではすずまきが終わったら、苗箱を育苗機と呼ばれる装置の中に積んで温度をかけて発芽を促進させています。
苗箱を積んで保管することで、上にある苗箱の重みで発芽した芽に土が押し上げられてこぼれる心配がありません。
苗箱を育苗機に入れ終わったら、写真のようにシートをかぶせて温度をかけて発芽を促進します。
終わりに
今回は、稲の種まき『すずまき』を紹介しました。
稲の種まきはこんな感じで土と土の間に種もみをサンドイッチするようにまいています。
『米づくりには八十八の手間がかかる』という意味で『米』という字ができたともいわれているくらい手のかかる作物です。
普段食べているお米も様々な手間がかかっています。
お米がどのようにできるのか、少しでも興味を持っていただけたら幸いです。