今年の悩みは倒伏です|2020米づくり記録20

稲作をやっていると必ずと言っていいほど毎年何かしら生育に関する悩みが出てきます。
それは、その年によって異なり、去年の問題が次の年には全く問題にならないことも多いです。

去年は、連日の猛暑で新潟県で米の一等米比率が極端に低くなりました。
一昨年は、7月から8月末までほとんど雨が降らずに水不足に悩まされました。

今年の悩みは例年に比べ長引いた梅雨でした。
梅雨明けが遅くなった影響で稲の背丈が伸び、日照不足で軟弱な稲が目立っています。
背丈が伸びて軟弱な稲は、穂に実った稲の重さに耐えることができずに稲がつぶれてしまいます

珍しく台風が全く来ていないのに例年以上に稲がなびいている状態の田んぼが多く、収穫まで倒伏せずに持ってくれるのか不安になります。

前回は8月19日の田んぼの様子を紹介しましたが、今回は8月31日の様子を記事にします。

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慣行栽培

慣行栽培の田んぼはところどころ稲がなびいてきました。

例年だと9月に入ってから台風が来て稲がつぶれるのですが、今年は雨もほとんど降っていないのに8月から倒伏し始めています。

本来まっすぐ上を向いているはずの稲がつぶれ始めています。
もみが入ってきて稲が黄色くなってくるとだんだんとこんな感じになびいてくることはあるのですが、今年はまだ青いうちからなびき始めました。

 

慣行栽培の生育状況

慣行栽培の生育状況は、平均的な稲の背丈が123m、葉齢14、茎数38本でした。

出穂日からの積算温度は、505℃でした。

コシヒカリは、積算温度1000℃が刈りとりの適正時期と言われています。

(背丈は株の中で一番長い葉っぱが土から何cmかを測定。葉齢は主稈(親茎)の葉の枚数。茎数は株の茎数を計測。測定はランダムに5株を選択してその平均を記載しています。積算温度は、気象庁の関川村下関のデータをもとに出穂日から1日ごとの平均気温を足した温度です。)

1週間で約200℃積算温度が上昇しました。

 

無農薬栽培

無農薬栽培の田んぼは、今のところ稲がなびいているところはありません。

慣行栽培に比べ、ほとんど肥料が入っておらず地力のみで成長しているのため肥料分が少ないので倒伏しずらいのだと思います。

もみの入り具合は慣行栽培とほとんど変わりない感じですので、もみが入ってきたら重さでなびく可能性があります。

 

無農薬栽培の生育状況

慣行栽培の生育状況は、平均的な稲の背丈が110m、葉齢14、茎数20本でした。

出穂日からの積算温度は、478℃でした。

(背丈は株の中で一番長い葉っぱが土から何cmかを測定。葉齢は主稈(親茎)の葉の枚数。茎数は株の茎数を計測。測定はランダムに5株を選択してその平均を記載しています。積算温度は、気象庁の関川村下関のデータをもとに出穂日から1日ごとの平均気温を足した温度です。)

慣行栽培に比べて、稲の背丈が低いのも今のところ倒伏し始めていない要因になっていると思います。

 

まとめ

今回は、8月31日の様子を紹介しました。

今年は、梅雨が長引いた影響かどこの田んぼも背丈が伸びて例年に比べて稲が青いうちから倒伏し始めました。
まだ今くらいの倒伏具合であれば、収穫には影響がないと思いますが、一度倒伏した稲が持ち直すことはないのでこれから収穫までの約1ヶ月の間どれだけ持ちこたえてくれるのか。
もみの充実とともに悩みの種が膨らみます。

最後に、例年だと8月はお祭りラッシュで忙しい月なのですが、今年は新型コロナウイルスの影響でお祭りが軒並み中止になりました。
祭りの準備や飲み会がない分田んぼ仕事ができて仕事ははかどったのですが、なんだか少し寂しい感じがします。

来年はいつも通りの8月が迎えられたらいいなと思います。

 

 

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