失敗しない水稲育苗プールの作り方のポイントとおすすめの資材

雪が解けて田んぼの土が見えてくると、また今年も稲作が始まるな、という気持ちになります。

我が家では、種もみを購入して種から米づくりをおこなっています。

ハウス内では、苗箱をプールにつけて栽培しています。

このような方法をプール育苗と言います。

今回は、失敗しない育苗プールの作り方とおすすめの資材を紹介します。

 

 

この記事の目次

スポンサーリンク

プール育苗とは

プール育苗とは、稲作の育苗方法の1つです。

ビニール等で簡易なプールを作って、そこに苗箱を並べ水を張って栽培する方法です。

最近はハウスを使わずに露地にプールを作る人もいますが、基本的にはハウス内にプールを作って育苗をおこないます。

プールを作り水を張って使って苗を育てるので、散水ノズル等で水やりをして回る必要がありません。

そのため、育苗管理の大幅な省力化ができます。

 

 

育苗プールの作り方

我が家でおこなっている育苗プールの作り方を紹介します。

(写真は、今年の作業を行い次第順次公開します。)

1.置き床を水平にする。

プールを設置するうえで最も重要な作業です。

置き床が均一でないと、場所によって浅いところと深いところができてしまい苗箱が乾いたり水没したりしてしまうため、生育ムラの原因になります。

石があれば取り除き、できるだけ均平に整地しましょう。

くぼんでいる部分には土を入れて、水深差は3cm(できれば1cm)以下にしましょう。

地面の勾配が大きく、置き床を均平にできない場合は、プールを適当なところで区切って小さなプールを作る方法もあります。

 

2.枠を組む。

置き床が均等になったら次は枠を作ります。

我が家では、木の板を用意して四角くつなぎ合わせて枠を作っています。

木なのでハウスに合わせて長さを調節でき、使い終わってもばらしてしまっておけば何年も持ちます。

枠の高さは10cm程度あれば十分です。

水圧や衝撃で枠が倒れないように杭で固定してあります。

最近は木の板以外にもプラスチック製の枠も販売されています。

プラスチック製は長さが決まってしまいますが、軽くて丈夫ですので使いやすいと思います。

 

3.ビニールシートを張る。

枠を設置したら、ビニールシートをかぶせます。

ビニールシートに穴が開いているとプールに水を張っても漏れてしまってすぐ水がなくなってしまいます。

使用する前に、穴が開いてないかしっかり確認しましょう。

もし穴が開いている場合は、テープ等で補修してください。

シートはポリフィルムやビニールで厚さは0.1㎜以上のものを使用してください。

水が漏れないように、枠の外側までシートを張る必要があるので、幅に余裕のあるシートを使用しましょう。

 

 

プール育苗のメリット・デメリット

メリット

  • 散水ノズル等で水やりをして回らなくてもいい
  • 苗が均一になる
  • 水を張ることで温度対策になる
  • 追肥が楽

プール育苗の一番のメリットは、なんといっても水やり作業の大幅な省力化です。

プール育苗をおこなわない場合は、苗箱の土が乾いてきたら水やりをして回らなければなりませんが、プール育苗では水が減ったらプールに水を足すだけで簡単に水やりができます。

手で水やりをするとどうしても水やりムラがでてしまい、苗が不均一になることがあります。

プール育苗であれば、置き床さえ均平になっていれば水やりのムラは発生しません

温度管理の面でも、メリットがあります。

我が家では苗づくりは4月からおこないますが、この時期は日中温かくても夜になると気温が低くなる日があります。

プール張った水は日中温められるのでプールに水を張っていれば夜間に気温が低下しても温度を保つことができます。

また、流し込みで追肥ができるので省力的です。

 

デメリット

  • 置き床を均平にしなければならない
  • 漏水の危険がある

作業が省力化や効率化などいいことがたくさんあるプール育苗ですが、デメリットもあります。

プール育苗を成功させるためには何より置き床に気を使わなければなりません。

平らでない場所でプール育苗をおこなう場合は、この均平作業がとても大変です。

均平が取れていないと生育ムラの原因になるので神経を使います。

また、漏水にも注意が必要です。

1か所でもビニールに穴があると水がたまらなくなります。

ビニールの劣化等でプール育苗中に漏水が発生すると場所を特定するのが困難です。

ビニールを2重にするなど漏水対策はしっかり行いましょう。

 

 

プール育苗のおすすめ資材

プール育苗用枠板 サンポリ

プール育苗用のプラスチックの枠です。

枠を立てて杭を指すだけで簡単に育苗用の枠を作ることができます。

プラスチック製で何年も使え、使い終わったら重ねてコンパクトに収納できます。

 

プール育苗シート 厚み0.26㎜

育苗用のシートです。

破けにくい厚手のものを選びましょう。

 

保温資材シルバーポリ

生育初期は保温資材を使って苗を保温する必要があります。

シルバーのポリシーとが、太陽光を適度に反射し、保温します。

太陽光を20%通すので白化現象を起こさずに緑化することができます。

 

終わりに

今回は、我が家でおこなっている育苗プールの作り方を紹介しました。

プール育苗は育苗作業の省力化、効率化に効果があります。

置き床の均平化は大変ですが、その分様々なメリットがあります。

一度プール育苗を体験したらもう散水ノズルでの水やりはやれなくなると思います。

まだプール育苗をしていないのであれば検討してみる価値ありです。

おすすめの記事