新米が出回る季節になると、米の一等米比率に関するニュースをよく耳にするようになります。
なんとなく一等米と聞くとおいしいお米のような気がしますし、二等米・三等米といわれると質の低い米なのかな?
という気になりますよね。
とはいえ、米の等級って実際はなんのことだかわからない人が多いような気がします。
そこで今回は、知っているようで知らない米の等級について解説します。
この記事の目次
米の等級とは
米の等級はJAなどの検査機関で行われる等級検査によって決まります。
等級検査でわかるのは米の整粒歩合と被害米の有無です。
出荷された米の粒がそろっているか、未熟な米や虫に食われて色のついた米がないか、もみが混じっていないかといった項目を検査員が目視で確認します。
この目視検査によって、出荷された米は一等米~規格外までの4つのランクに分けられます。
それぞれの等級は下記の基準によって振り分けられます。
等級 | 整粒歩合(%) | 水分量(%) | 死米(%) | 着色粒(%) | もみ(%) |
一等米 | 70~ | 15 | ~7 | ~0.1 | ~0.3 |
二等米 | 60~69 | 15 | 8~10 | 0.2~0.3 | 0.4~0.5 |
三等米 | 45~59 | 15 | 11~20 | 0.4~0.7 | 0.6~1.0 |
規格外 | ~44 | 21~ | 0.8~ | 1.1~ |
整粒歩合
死米・着色粒などを除いた、一定量の玄米のうちきちんと整った米粒の割合。
水分量
玄米の重量に占める水分量。
刈り取った米は水分量が20%~30%あります。
水分が多いと米が傷んでしまうので15%以下に乾燥させて保存しやすくしています。
死米
受粉障害などにより生育が停止し、粒が緑や白色で不透明なもの。
着色粒
害虫や細菌などによって粒の一部または全部が変色したもの。
もみ
もみすりがうまくいかないなどの原因により未脱穀の米。
米の粒が小さいともみが残りやすくなります。
一等米になるには
一等米になるには上記の条件をすべてクリアしなければなりません。
1つでも基準以下の項目があれば等級が落ちてしまいます。
たとえ1000粒中の整粒歩合が70%を超えていても、カメムシ被害の米が2粒混じっていたら2等米になってしまいます。
そう考えるととても厳しいですよね。
この基準を満たすために、米農家はしっかりとした栽培管理をおこなっています。
等級とおいしさは無関係?
このように米の等級は粒のそろい具合や被害米の有無などによって決まります。
米の等級によって米の買取価格が決まるので、米農家は等級を落とさないように細心の注意を払います。
しかし、気づいた方もいるかもしれませんが、米の等級には味を決める要素がありません。
実は一等米だからおいしい二等米だからおいしくないということはないのです。
粒がそろっている分、一等米の方がおいしい可能性がありますが、一等米も二等米も炊いてしまえば味はほとんど変わりません。
しかし、粒がそろっている米のほうがおいしいですし、虫食いの米があったら気になってしまいます。
米の等級とは、味には直接無関係ですがブラント米としての品質を保つための大事な格付けなのです。