農家視点で下町ロケット第12話をみた感想。~無人汎用コンバイン~

ているです。

1月2日に下町ロケット新春スペシャルが放送されました。

今回が真の最終回ということで、前回いろいろと消化不良だった話も解決しました。

今回はそんな下町ロケット新春スペシャルについて、農家目線で考察してみたいと思います。

 

 

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新春スペシャルのあらすじ

販売台数を伸ばすダーウィントラクターでしたが、的場取締役がダーウィンの関連会社に圧力をかけ出荷停止の危機に陥ります。

しかし、ダイダロスの重田社長は中川弁護士に依頼し、下請け企業に圧力をかけたことをメディアに取り上げます。

結果、事態が大きくなり的場取締役は辞任に追い込まれます。

危機を脱したかのように思えたダーウィンプロジェクトでしたが、新たな問題が発生します。

ギアゴースト製のトランスミッションに欠陥があったのです。

欠陥に気付いていたものの氷室が伊丹社長に報告していなかったために、対応が遅れ事態が深刻化してしまいます。

伊丹社長は大至急ギアゴーストのトランスミッション同様島津さんが設計したランドクロウのトランスミッションを調べるように指示します。

シャフトの欠陥に気付いたギアゴーストですが、佃製作所がシャフトの特許を取っていました。

氷室は敵前逃亡し、トランスミッションの欠陥を改良する技術のないギアゴーストは佃製作所にライセンス契約を持ち掛けます。

しかし、佃社長はその申し出を断ります。

 

一方、帝国重工は無人農業用コンバインの開発を進め、殿村家に納品します。

また、帝国重工ではコンバインの自治体と協力して台風が来る前に刈り取りを行うキャラバンを編成しました。

そんななかまたしても大型の台風が発生します。

予想進路は関東を抜けるコースでしたが、台風の直撃を予見した殿村父は朝から稲の刈り取りを始めます。

ランドクロウの活躍もあって殿村さんの田んぼは刈り取りをおえることができました。

しかし、台風の進路変更を知ってから刈り取りを始めた稲本は刈り取りが間に合いません。

そこで財前キャラバンを派遣して稲村の農業法人の稲の刈り取りをおこない、なんとか台風に直撃寸前に刈り取りを行うことができました。

 

今回の台風の件で、日本の農業を救うという目的を再認識した佃社長はギアゴーストと特許のライセンス登録を行うことを決意します。

佃製作所がライセンス契約を承認したことで、ギアゴーストはリコールを行うことができダーウィンは事業の撤退を免れることができました。

 

 

殿村家は汎用コンバイン

殿村家に納品されたコンバインは、一般的な水稲用のコンバインではなく、汎用型のコンバインでした。

汎用型コンバインというのは、稲だけでなく大豆やそばなど様々な作物も刈り取りをすることができます。

一方で、水稲専用に作られているわけではないので、収穫時のロスが専用に比べると多少多くなってしまいます。

私も分からずツイッターで教えてもらったのですが、最近は業務向けの13俵、14俵収穫できる米だと水稲用のコンバインでは負荷がかかりすぎて高速作業ができないため農機具メーカーも汎用型の開発に力を入れ始めているそうです。

実際に作中で使われた汎用コンバインはクボタから発売されています。

まだ、私の周りでは汎用コンバインを使っている人はいませんが、今後田んぼの大規模化が進んだら私の周りでも汎用コンバインを使う人も出てくるのかもしれません。

写真は我が家の水稲用コンバイン。

 

 

収穫したもみを揉み袋に入れている?

今回の下町ロケットを見ていて疑問に思ったことの1つ目ですが、稲刈りのシーンで収穫したもみをもみ袋に入れてそれを運んでいました。

20年くらい前まではもみ袋に入れて運んでいたのですが、最近はトラックに直接もみを入れています。

おそらく、作中で登場した無人コンバインは軽トラを1回で満杯にするくらい収穫できるのではないかと思います。

台風が迫っていて一刻を争うのなら袋詰めしている暇はないでしょうね。

 

 

雨の日に稲刈りはできない

雨が降ってすぐの田んぼは土がぬかるみます。

土がぬかるむとコンバインが田んぼではまってしまう可能性が出てきます。

田んぼにはまってしまうとその後の作業ができないですし、泥が機械に入ってしまうので機械の傷みがも早くなってしまいます。

また、もみが濡れるともみ同士がくっついてしまって、うまく脱穀されずに収量が落ちてしまいます。

濡れたもみは水分量が多いので乾燥するのも時間がかかりますし、収穫時の水分が多いと味が落ちる原因にもなります。

作中では、台風が来るからその前に刈り取りをしなければならないからということで刈り取りを強行しました。

しかし、台風が来て稲が全滅するというのは河川が決壊するような場合しかありません

収穫間際に台風の被害にあうと、稲がつぶれて刈り取りに影響が出ることがありますが手で稲を起こしながら刈り取りを行うことはできます。

多少の台風で稲が完全にだめになることはないので、台風が過ぎ去って稲が乾いてからゆっくり刈り取りを行うのが普通です。

 

 

刈り取ったもみはどこへ行く?

最後に最も疑問に思ったのは刈り取ったもみの行方ついてです。

稲刈り直後のもみは水分が多く、乾燥しないで保管すると腐ってしまいます。

それを防ぐために収穫したもみは、乾燥機に入れて乾燥してから保管します。

普通米農家は数日から数週間かけて稲刈りを行うので、一度にすべての田んぼのもみが入るほど大きな乾燥機は持っていません。

ちなみに我が家は現在3丁歩の田んぼを作っていますが、乾燥機は一度に0.4丁歩分くらいしか入りません。

しかし、作中では殿村さんの田んぼ約20丁歩と稲本の農業法人の田んぼ50丁歩を1日で刈り取りました。

到底乾燥機に入りきる量ではないと思います。

一体収穫したもみはどこに行ったのでしょうか

 

 

終わりに

今回の新春スペシャルで下町ロケットが終了しました。

最終回の財前キャラバンのシーンは戦隊もののようなかっこよさがあり面白かったです。

出演者のカッパも戦隊ものを意識したのか色がバラバラでした。

私の田んぼにも収穫が間に合わないときには助けに来てほしいです。笑

農家の視点で見てみるといろいろとツッコミどころがあったものの、毎週楽しく見ることができました。

個人的には吉井とキーシンの戸川はもう少し懲らしめてほしかったですが。笑

 

今週で下町ロケットの考察は終わりになりますが、また何か農業に関係するようなドラマ等が放送されたら農家目線シリーズをやってみたいと思います。

 

よろしければ他の農家目線の考察記事も読んでみてください。

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